渦中の人、2人2013年02月11日


あのパフォーマンスがもう見られない

困った顔のソノダさん

 ご無沙汰してます。絵の新作をお送りします。スポーツ界の渦中の人たちです。
 誰だかわかりますか? 二人とも最近、現職を引退しましたけど、でも引退の時の状況が全然違います。一人は惜しまれながら。もう一人は批判され、謝罪とともに。同じ表舞台から消えるにしても、問題を起こしてっていうのじゃ悲しいことです。

諦めない心と体2011年07月18日

 こりゃやっぱり書かないわけにはいきません。女子サッカーW杯、ニッポンが優勝! おめでとーっ! なでしこJAPAN、すごい。ここまでやるとは。
 金曜日のスウェーデン戦も今日の決勝戦も、早起きして観戦しました。それで勝ってくれると、起きて良かったーって思いますね。去年の男子W杯のデンマーク戦も同じ時間帯にあって、ちゃんと見ていました。そして勝ちました。
 決勝戦にふさわしい素晴らしい試合でした。どっちが優勝してもおかしくない接戦。しかし日本の粘りは驚異的でした。本戦、延長戦いずれも残り時間わずかという所で同点に持ち込みました。

 スポーツ観戦は実際に会場へ行くのが当然面白いわけですが、テレビのことだけで言うと、録画よりも生の方が格段面白い。これもあたりまえの話。仕事のことやらいろんなことで心に余裕がなくなってくると、今この実況につきあう忍耐力がだんだんなくなってきます。それはやはりあまりよくないことです。
 それからスポーツというのはドラマや映画鑑賞と違って、どちらかのチームを応援するので、ハラハラドキドキが続き、歳をとってくると心臓にも良くありません。そして歳をとってくると、ずるくなって、応援しているチームがちょっとでも劣勢に立たされると、試合を諦めようとする心の動きが出てくるのです。無意識のうちにそんなことをやっている。「現実って、そんなものなんだから」という口実を引っ張ってきて。
 実は、それは精神が大人になっているのでも冷静になっているのでもないのですね。ただ、気力が失せて、単なる「衰えた年寄り」になっているだけのことなのです。勝負は最後まで諦めてはいけない。諦めないことはかなりしんどいことです。見ているだけという立場のしんどさはプレイしている選手のしんどさとはまた違うのでしょうね。心も体もほんとうにしんどい。
 でも、実際に諦めないで闘う人たちの姿をぼくは、サッカー(W杯やアジア杯を思い出せ!)や野球(WBCを思い出せ!)やソフトボール(金メダルを取った上野選手たちを思い出せ!)のスポーツ中継で何度も見てきました。マラソンでも見てきた。
 今日のなでしこジャパンもそうです。そういう姿を見せられて、「諦めない」ということ、そしてそのために目の前の一つ一つのことをやっていくという姿勢を学ぶのです。ああ、こういうのがプロなんだなあと、改めて感動し、尊敬の念を抱きます。

 アメリカでは、日本の勝利を東日本大震災と結びつけながら、国民に勇気を与えた、と賛辞とともに報道していました。世界的にもこの結果は高い評価を与えられました。うれしいですね。しかも女性たちが日本を勇気づけてくれているのです(上野選手たちのソフトボールを思い出せ!)。
 男もがんばろう。「がんばる」っている言葉、日本人は言い過ぎだと、最近いろいろ批判されていて使いづらくなっていて、まあ、確かにそういう批判も分かるし、ぼくも無反省に使う気はないけど、今は人に対して言うんじゃなくて、自分に言っておきます。
 うん、がんばろう。

八百長力士を、主は2011年02月03日

 イエスは、なぜか国技館におられた。
 そこへ日本相撲協会の理事長や親方たちが、八百長取引のメールを発見された力士たちを連れてきて、土俵に立たせ、イエスに言った。
「先生、この力士たちは八百長の依頼や取引をしているメールを見つけられました。こういう連中は、時津風親方がやっていたようにリンチを加えて殺せというのが、角界の暗黙のルールになっています。ところで、あなたはどうお考えになりますか」
 イエスはかがみ込んで土俵に塩で何かを書き始められた。しかし、理事長たちがしつこく「どうなんですか」と、がぶりよりで迫ってくるので、身を起こしてこう言われた。
「あなたたちの中で八百長をやったことのない者が、まずこの力士たちにリンチを加えなさい」
 これを聞いた親方たちは、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと真ん中にいた力士たちが残った。イエスは身を起こして言われた。
「関取たちよ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたたちにリンチをしなかったのか」
「主よ、だれも」と力士たちが言うと、
「わたしもあなたたちを罪に定めない。相撲を続けなさい。これからはもう八百長をしてはならない」
「主よ、ありがとうございます。しかし観客がひとりもおりません」
「それはわたしの知ったことではない。わたしはサッカーを見に行く」
 そう言って、イエスは立ち去られた。

サッカーアジア大会、優勝2011年01月30日

 サッカー日本代表がアジア大会で優勝しました。おめでとう! やった! ゆうべから今朝にかけて最初から最後まで(表彰式まで)全部見ました。最近の日本代表の成長ぶりを見ると、応援しないわけにはいかない。
 W杯以後、日本は本当に生まれ変わりました。今回の大会ではメンバーが大幅に入れ替わっているのに、W杯の時のチームの良さが受け継がれ、なおかつ新しい力が加わって、以前と比べてひと回り大きくなったという印象があります。一番の違いは、今のチームは点が取れそうという予感をいつも感じさせるところです。昔のようなもどかしさ、イライラを感じないですんでいます。
 初戦から決勝まですべてが劇的でした。信じられない筋書きで、よくぼくが言うセリフは「これがドラマなら、脚本にリアリティーがなさすぎて却下」。今大会もそれくらい奇跡的な内容でした。韓国戦での川島のスーパーセーブは2004年の中国大会ヨルダン戦を思い起こさせたし、昨日の試合で決勝点となったゴールは何度見てもすばらしい。今のチームは流れの中から鮮やかなゴールを上げられているところが、発展していることの証明だと思います。

 「決定力不足」は、日本の永遠の課題のように言われ続けてきたことだけれど、それが少しずつ、しかし確実に変わってきたという気がします。2002年W杯の頃の黄金世代と言われた日本代表のメンバーがかすんでしまうような力を、今のチームは持っています。もちろん日韓大会時代の選手たちの努力の上に今の日本代表があるわけですが、ドイツ大会の大敗後、観客動員数が激減し、テレビ中継も視聴率を落としていたことを考えると、去年のW杯以後に実力を伴って復活してきたことは嬉しい限りです。
 ぼくは大いに元気づけられました。

面白かったテレビ番組2011年01月03日

 元日と昨日、いつもより長くテレビを見てました。実業団対抗駅伝、箱根駅伝など正月ならではのスポーツももちろん面白いのですが、今日はスポーツ以外の3つ面白いテレビ番組について、感想を述べます。

 一つ目は、元日19:00からのNHK-BS「イチロー特別対談」。糸井重里、住吉美紀との対談です。2時間でしたが、最初から最後まで引き込まれて見ていました。やっぱりイチローはただ者ではないと思いましたね。イチロー語録ってよく言うけれど(そんな本もあります)、会話そのものが面白い。また糸井重里さんもこういう対談が上手で、軽妙に進めながら、でもけっこうことの本質は突いていきます。そこがいい。二人とも賢い人たちなので、話のレベルが高くて深いのです。
 ここでいうレベルの高さとは、物の見方におけるレベルの高さを指します。イチローくらいの人たちも苦悩するのですが、苦悩のレベルが常人とは違う。しかし、だからといって、そこで話されていることが私たち常人とは無関係の世界かというと、確実につながっていて、学ぶべきことがたくさんあります。
 イチローのやり方の根底にあるものを糸井さんが「Sustainable(持続可能)なんですね」と、一言で言い表していたのが、実に納得。要するに、無意味ながんばりはやめようよ、ということです。日本社会では今もそういうところで評価されちゃう傾向があるでしょう。それはおかしいのですよ。ぼくもものごとを行うときは、できるだけ Sustainableでありたいと努めているのです。その考え方をイチローも実践しているのは、うれしいことです。

 二つ目は、昨日18:05からのNHK総合「ヒューマンドキュメンタリー—志村ふくみ」。この人の本を数年前に数冊読んだことがあります。色彩はグラフィックデザインに欠かすことのできない要素です。常日頃関わっている印刷上のCMYKのプロセスカラーとかコンピュータ上の色彩だけでは、どこか偏っていると感じた僕は、色彩についてもう少し突っ込んで勉強したくて、染織家であるこの人に興味を持ち、本を読んだのです。展覧会も見に行きました。
 日本の伝統的な色彩の世界は豊かで、かつ奥が深く、色彩のとらえ方に新しい視点が与えられます。昨日の番組は、そのことをまた改めて教えてくれました。日本の色彩なんだけど、ゲーテの色彩論にもつながっているところが面白い。普遍的でありながら独自でもあると言うことです。
 志村さんは人間国宝で、現在86歳。しかし、頭脳明晰で、感覚がやたら若い。クリエイティヴな人ってそんなもんですね。見てくれだけの若さに振り回される人は、結局若いのでももなんでもないのです。思考や感覚のみずみずしさこそ重要ではないか、と志村さんを見るたびに思いますね。

 三つ目は、同じく2日、22:10からのNHK総合「北斎・幻の海」。大好きな北斎の絵に関するドキュメンタリー。有名な「富嶽三十六景」に続く傑作「千絵の海」という10点シリーズの版画がフランス国立図書館で発見されたことから、復刻版の制作、そして北斎の絵画技法に関する新たな発見へとつながる、ワクワクさせられる内容でした。
 「千絵の海」、僕は知りませんでした。フランス語でL'océan de Mille Images (ロセアン・ドゥ・ミリマージュ)という訳がまたかっこいい。日本には10点揃った完全な形では残っていなくて、数点がバラで保存されているだけなのだそうです。数年前の大々的な北斎展でも見なかったし、本にも紹介されていませんでしたからね。しかし、きのう番組で見ていたら、どれも構図・色彩・造形ともにすごい絵で、確かに「富嶽三十六景」に並ぶ傑作だと思いました。
 ちょうど大晦日に、『北斎漫画』を開いて感覚を新たに研ぎ澄まそうと思っていたところ。ダ・ヴィンチもそうだけど、天才の仕事には限りなく謎があり、限りなく発見があります。北斎について、また一つ新しいことを学びました。日本美術はすばらしいよ。
 
 今年はどこにも出かけず、家で休むだけの正月ですが、こんな番組見て心が豊かになっってます。

タコのパウル君はすごかった2010年07月12日

 サッカーW杯決勝戦、今朝3時に起きて、最後まで見ました。スペイン優勝おめでとう。日本の試合だけ見てたって、サッカーを語ることはできません。やはり世界のサッカーがどういうものかを見ておかなくては。
 そしてスポーツは生放送がベスト。結果がわかって録画で見るのは、気の抜けたビールです。リアルタイムでハラハラし、一喜一憂するのがスポーツの醍醐味です。
 ……と、こんな風に言うと、スポーツはやっぱり試合会場で見るのが一番、てことになるのですが、さすがにそんな金や時間はありません。ぼくはテレビ観戦で満足しておきましょう。
 でも、結末のわからないことにつきあうのは、覚悟と忍耐が必要です。0対0のまま延長戦に入ったときは、見るのやめようかなと一瞬思いました。休日じゃない朝に30分予定外の時間が割り込んできて、延長でも決まらなかったら、PK戦でさらに20〜30分。うーん、しんどい。日中どっと眠くなりそう。仕事が……。
 しかし、最後の最後で劇的なゴールが生まれました。スペインらしいパスワークからの見事なシュート。あのシーンで、それまで見ていた110分以上が報われましたね。
 ま、そこだけじゃなく、得点はなくても始めから内容は濃かった。GKやディフェンスのスーパーセーブがなかったら、双方あと2、3点は入っていたでしょう。

 例によって、サッカーそのものの批評は詳しい人にお任せするとして、今大会でぼくがいちばん感心したのは、勝敗を占ったタコのパウル君です。8戦占って、全部的中。こんなこともあるんだ。超能力でも持ってるのか? うちのハムちゃんにやらせたらどうだったろう。外れまくりだろうな。
 W杯南アフリカ大会の楽しい外伝でした。

やっていけると思った2010年07月01日

 サッカーW杯、日本代表の活躍が日本中に希望を与えてくれたことは間違いないと思います。
 オシムさんは以前、日本がW杯に出場することは世界経済のために必要だ、と言ってましたが、これで実際に景気も少しは上向くかもしれません。それは日本にも世界にもいいことでしょう。
 バランスシートを見れば、金銭面だけでなく(ベスト16に進んだおかげで、日本には8億9千万円が入るんだって。びっくり!)、総合的な意味でプラスだったはずです。なにより、精神面での好影響は大きかったと思います。僕自身が、これからもっとやっていけるぞ、と思いましたから。自分とは直接関係のないことでこういう気持ちになれたのは、実に久しぶりのことです。
 その意味で、日韓大会の時以上の感慨がありますね。期待していなかった分、喜びが大きかったのかもしれない。

 日本国民がこの時期ばかりはいっぱしのスポーツ評論家になって、いろいろ、いろいろと語っていますが、8割はしょせん素人談義。ぼくもそう。上っ面の情報を元に、知ったかぶりでしゃべるだけです。まあ、マスコミもやや似たり寄ったりのところがありそうで、それは予選リーグを突破したときの岡田監督への評価の逆転でよくわかります。
 大会が始まる前に、スピードスケートの清水宏保さんが朝日新聞に鋭いコメントを載せていました。日本代表の直前の4連敗を少しも悲観的に見ていなかったのです。「スポーツの世界では、本番前に作戦上、わざと負けることもする」と書き、コンディションを本番に合わせることの大切さを説いていました。表面だけで判断しないその予言は見事に的中しました。
 清水さんはバンクーバーオリンピックについても、結果をほぼ的確に予測するコメントをしていたし、そこはさすがにアスリートとして現場でやっていた経験がものを言うのですね。並みの評論家とは言葉が違うなと、記事を読むたびに感じました。
 
 ぼくは20代の頃、デザイナーやイラストレーターのサッカー好き仲間のチームに入ったことがあるのですが、前半後半各40分ずつの試合で、前半が終わったときに疲れ果てていました。20代でですよ。ド素人だから、ボールさばきなんてできなくて、ただ蹴るだけなのですが、そんな技術的なこと以前に、体力がまるでない。
 だから、90分を戦い抜くだけでさえ、すごいことだと思うのです。子どもみたいですが、GKの蹴ったボールがあんなに遠くまで飛ぶだけで感動してます。

 日本代表、よくがんばりました。しかし、「感動をありがとう」なんて陳腐な表現は使わないでおきます。その代わり、「今日も走ろう」。マラソンはサッカーとはかなり性格の異なるスポーツだけど、体を動かすと、頭だけとはちょっと違ったわかり方、受け止め方ができるんですよね。

ニッポン、おめでとう!2010年06月26日

 ちょっと遅くなりましたが(というか、最近ぜんぜん更新してなかった)、サッカーW杯、日本代表、おめでとう! 久々にうれしい一日でした。リアルタイムで試合を見ましたが、早起きした甲斐があったというもの。
 オランダ戦が終わった段階で、予選リーグ突破の可能性はかなり高いと予想していましたが、ただ勝っただけでなく、勝ち方が良かった。あの3ゴールはどれも見事でした。本田は中田以上にかっこいい。いたずら坊主のような、お茶目な印象があります。
 今回のW杯、始まる前は日本中のほとんどの人たちが日本代表のこと、3戦全敗だと思っていたのではないでしょうか。ぼくも日本には全く期待せず、他国の華麗なプレーを楽しむだけにしておこうと思っていたのです。ところがあけてびっくり玉手箱。ニッポンがここまで活躍するとは誰が予想できたでしょうか?

 日本サッカーのレベルが下がってきていると多くの人が言ってたし、ぼくもこの1,2年、彼らの試合ぶりにイライラして途中で見なくなることがふえていたのですが、今大会では信じられないくらいに動きが良くなっています。結論から言うと、ドイツ大会は言うに及ばず、日韓大会の時のチームより進化したんじゃないかと思います。
 そこでぼくは(多くの人たちと同じように)、決勝トーナメントでも日本代表にぜひがんばってもらいたいという欲が出てきました。パラグアイは確かに強い相手ですが、オランダにさえあれだけ善戦したのだから、今のチームなら勝てるんじゃないかと思う。
 日韓大会では、予選を突破したという喜びで選手も私たち国民も安心してしまったところがありました。ゲームを見ていてすごくそれを感じました。
 でも、今度はもう少し先に行ってくれそうな気がするのです。デンマーク戦直後に本田選手が言ってた「あまり喜べない」という言葉にそれを感じます。自分に言い聞かせているとかビッグマウスというのではなく、ほんとうに先を見ていることを感じさせる言い方だったのです。「優勝を公言しちゃってますから」というのは笑えたし、でも彼なら本気でやってくれそうな気もします。
 でもパラグアイに勝っても、次の相手はスペインかポルトガル。あちゃー。

 久々のブログ更新だけど、ここ連続3回、サッカーの話題というのも自分でおかしくなります。ほんとうは他にもいろいろ書きたいことがたくさんあるのだけど、間に合ってません。漫画の話、ボストン美術館展、聖句カードギャラリーなどなど……やらなくては。