ダ・ヴィンチ展とラファエロ展に行きました2013年05月11日

 展覧会というのは「会期終了までまだ日があるな」と思って油断していると、ギリギリになってめちゃ混みの会場に行かなくてはいけない羽目に陥ります。
昨日(10日)、会期半ばのダ・ヴィンチ展とラファエロ展をハシゴしてきました。「いつ行くの? 今でしょ」ってことで。どちらもそこそこに混んでいましたが、十分に観賞できました。
 ぼくは圧倒的にダ・ヴィンチのファンなのですが、美術展としては、今回はラファエロ展の方が面白かったというのが正直な感想。

 ダ・ヴィンチ展では、手稿と呼ばれるダ・ヴィンチの膨大な研究ノートの一部が展示されています。この手稿がダ・ヴィンチの活動の神髄であって、この中にこそ彼の魅力が詰まっています。彩色された絵画は十数点しか描いていませんから、そういうものだけを期待しているとダ・ヴィンチへの理解がすごく狭くなってしまいます。そして、ダ・ヴィンチの手稿を見るときに要求されるのは、作品の鑑賞以上に、彼の思考のあとを追跡することです。
 しかし、ぼくには今回の展覧会は、レオナルドの同時期の他の画家の素描などでなんとなくお茶濁しをしているような印象も受けました。彼自身による油絵が1点(「音楽家の肖像」)公開されていて、これはとてもよかったのですが、前回見た展覧会同様、1点だけの客寄せ作品で一般のお客さんを引っ張ろうとする意図が感じられます。まあ、手稿だけではあまり人は来ないだろうし、かといって他に絵画がそうたくさんあるわけではないし、難しいところです。
 とはいえ、ぼくはこれからもダ・ヴィンチ関連の展覧会は見続けるつもりです。

 一方、ラファエロの方は、23点の絵画・素描を見ることができて、見る楽しみを満喫できます。ラファエロって、絵がうまいですね。って、専門家やファンから殴られそうなコメントをしてしまいますが、とにかくその技量はやはり天才だと思いました。彼は剽窃の天才と言われているわけですが、それくらいあらゆるテクニックを自分のものにしたということなのでしょう。
 ぼくはこの人の描く女性が好きなのです。ムリリョというスペインの画家の描く女性の次くらいに好きです。
 ここでちょっと脱線して、絵画の女性という観点で言うと、レンブラントの描く女性、ルーベンスの描く女性は、どれも体がぶよぶよで、顔も美しくなくて、がっかりしてしまいます。レンブラントの絵そのものは好きですが。ワイエスの描く女性は、決して美人ではないけれど、存在の美しさを感じさせて、すごく好きです。ミケランジェロの女性は、絵も彫刻も筋骨隆々なのが気になる。唯一、21歳ごろに作った彫刻「ピエタ」のマリアは好きです。レオナルドの女性には高貴さがあります。あ、フラ・アンジェリコの女性もすばらしい。
 話を戻しましょう。ラファエロの絵は「優美」という言葉で表されますが、確かにそのとおりですね。柔らかいタッチと同時に、確かな存在感もあります。その見事なブレンドが素敵です。画家によっては、衣服の模様や宝石をリアルに描いてるけれど、妙に冷たい印象を与えるということがあります。でもラファエロはひんやりした感じがなく、どれも品を感じさせつつ、温かいのです。画面全体の中で色やタッチのバランスが見事なのですね。一番の呼び物、「大公の聖母」は、複製画を飾っておきたい気もしました。
来場者の男女比率は圧倒的に女性が占めています。作品を見ると、それもうなずけます。自画像を見ても優男だし。

 二つの素晴らしい展覧会を見て、またぼくは充電できました。さあ、秋にはミケランジェロ展だ。

音楽家の肖像


大公の聖母

コメント

トラックバック